ホームズが通うT大学の木造建築コースでは「建築事例研究実習」というものがあるらしい。 年度によって扱う建築事例が異なるようですが、 ホームズはT大学田無キャンパスにある「農学第一収納舎」の耐震診断&補強改修設計を2011年11月に行ったそうです。
対象物件は「T大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 農学第一収納舎」。 名前はかっこいいですが、木造軸組工法、平屋建てのいわゆる「倉庫」です。無筋コンクリートの基礎に瓦屋根。建設年は1930年。なんと戦前の物件! まずは現地調査で劣化の状況を確認するホームズ。隅柱や外壁などに劣化が見つかりました。築80年越えだもの、劣化しないはずがないですよね。
さっそくホームズの会社が開発販売している耐震診断ソフトで耐震診断を行いました。ここでは一般診断を用いて判定します。評点は0.37で「倒壊する可能性が高い」と出ました。壁量の不足や劣化による低減が大きな原因です。 補強計画を考えるには通常、精密診断が必要になってくるのですが、今回は大学の実習ということで一般診断の結果から補強計画を考えてみました。
・耐力壁の追加と適切な金物による接合部の補強(図面XY方向ともに)
・耐力壁追加部分の適切な基礎の補強
・劣化部位の補修交換(特に北東の隅柱及び外壁部分)
簡単な構造の倉庫なのでこんなところでしょうか。補強計画もソフトの補強ナビを使えばすぐに設計できますね。 住宅の耐震診断はよく行うのですが、今回のような戦前生まれの物件はなかなかお目にかかれません。 東京都は思えない田無の自然と風情ある?物件を前にして、ホームズがノスタルジーに浸ったのは言うまでもありません。