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下馬の集合住宅 現場見学会

水曜日, 9月 4th, 2013

都心で建設中の木造耐火建築物の5階建て集合住宅が現場見学会を開催!それを聞いたホームズは早速現場見学会に参加したそうです。

建築設計は、KUS一級建築士事務所、構造設計は、東京大学生産技術研究所 (腰原幹雄先生)、桜設計集団一級建築士事務所が担当。施工は大和ハウス工業。 見学会開催時の工事状況は、構造体が一通り組み上がり、断熱材がところ どころに充填された状態でした。 見学会の現場に東大の腰原先生がいらっしゃったので話をお聞きしたところ、この建物は保有水平耐力計算で構造検討がなされたとのこと。可能ならば構造計算書を一度見てみたいものです。

この建物の特徴は1時間耐火建築物でありながら、外周には無垢材の斜材が格子状にあしらわれています。「耐火上大丈夫かな」と思ったのですが、木斜格子は 水平力しか負担しないため耐火被覆をしないのだそうです。 これにより外壁面全体がルーバー付の大開口のようになっており、外部からの採光はそれなりに取れていました。もう少し格子の隙間がほしいところですが、強度を保つには必要最小限の配置なのでしょう。 また、これだけの木斜格子を一つ一つ精度高く施工するのも大変です。やはり専用の金物が用意されていて、部材開発にアイデアと時間と費用を結集した実験プロジェクトであることがうかがえました。

もう一つ構造的な特徴として、水平構面をマッシブホルツスラブ(厚さ120mm の集成材のパネルを2層)構法を採用しているので梁は存在しない点が挙げられます。 耐火のため被覆されてしまうので、木質感がだいぶ薄れてしまうのは残念です。

構想から今年で10年という長期間にわたり今年竣工を迎えます。 竣工後もぜひ見学したいと思うホームズなのでした。

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