ホームズからT大学の自然環境設計演習に、2011年9月、4泊5日で参加したという話を聞きました。
何だか大変そうな演習ですが、要するに自然地での活動を通して、その保護と利用について考える授業のようです。 参加者それぞれがその専門分野の視点から自然を体験し、課題を見つけ、解決案を発表するのだそうです。 木と自然をこよなく愛するホームズのテーマは「木道」でした。
今回の演習の舞台「鹿沢園地」は上信越高原国立公園内に位置し、多数の「木道」を有しています。 自然の温かみを感じ、心やすらぐ「木道」。樹脂が多く、湿気があっても比較的腐りにくいカラマツがよく使われていますが その寿命は10年程度と、木造建築物の構造体と比較すると短いのが現状です。 森の中という常時湿潤状態の環境ではどうしても劣化の進みがはやくなるのは否めませんが、 コンクリートやプラスチックに比べて、「木道」は加工が容易で施工性に富み、なにより自然の風景に一番マッチするのです。 問題は、維持管理です。設置段階から腐朽しやすい環境を踏まえ、補修工事が容易に行えるような「木道」を設計すべきであり、 また、定期的に点検・補修を行う維持保全計画を竣工時から策定することで、寿命は格段に延びるでしょう。
2010年に施行された公共建築物木材利用促進法で謳われている 「木を使用することにより、森を育て、林業の活性化を図る」と言う観点からも 「木道」の設置・整備は自然環境の保護・利用において非常に有効なのです。適切なメンテナンスと保全計画で「木道」を保ち続けてほしいものです。 皆さんも、コンクリートやプラスチックでは味わえない自然の温かみを「木道」で感じてみませんか?