古民家再生のスペシャリスト、安井妙子氏の講義を受けてきたホームズ。
「正直、古民家をどうやったら高断熱、しかも、高気密にできるんだろう」と半信半疑のホームズでしたが、たくさんのすばらしい実績に圧倒されました。
講義では、断熱に関して、外断熱を推奨されていました。
屋根から軒、そして壁、さらに基礎までをぐるーっと隙間なく厚ーく断熱。
と、文章では簡単に書けますが、古民家ならではのさまざまなイレギュラーな条件の連続の中で、納まりを都度工夫し、それを大工が丁寧に施工する。
まさに、芸術品の修復のごとくです。改築コストは目が飛び出る金額でしたが、 芸術品ですからプライスレスです。 施工後には、温度計測や電力量測定をして、効果を把握。改善を十分に読み取れ るものでした。
構造についても、曲がっている柱や勾配の違う屋根面の合わせ、いつの世代かに 切られたのだという大黒柱を補うなど、ウルトラCの連続のストーリー。
安井妙子氏は、古民家の美しさに魅了されて、この仕事に就かれたそう。 古民家は寒いから壊されてしまう、ならば、そこを克服できれば美しい建築物を 残せるという信念で、仕事を続けられてこられたのだそうです。 2020年の省エネ義務化に向けての意見を質問されると、安井氏は 『伝統的建築に関する議論はまだ不十分である。コストはかかるだろうが技術的 には十分断熱できる。普及していく方法を考えていくのは、みなさんの世代に任せたい』 と締めくくられました。
来年、木の建築フォラムでは、公開フォーラム『伝統的木造建築と省エネ』(2014 年3月15日予定)でパネルディスカッションも開催されるとのこと。 平成25年省エネ基準が住宅でも去る10月に施行となりましたが、ここから1年半。 完全移行に向けて、住宅断熱に関する議論が本格的に高まりそうです!